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中小企業診断士が通信制高校教師へ@埼玉

中小企業診断士が通信制高校教師へ@埼玉

◆◆H17一次試験:経営情報システム

『中小企業診断士は独学でなれる』

H17年中小企業診断士1次試験
経営情報システムより
1.中小企業診断士一次試験にブログ登場
2.パソコンのリサイクル
3.ハードウェアの問題
4.経営情報システム1次試験、インターネット関連
5.ODSってなに?
6.電子商取引、契約成立はいつ?
7.DSS用データベースに必要なものは?
8.コンピュータと健康


1.中小企業診断士一次試験にブログ登場
一次試験にブログの問題が出題されました。企業のユーザー向けコンテンツとして、ブログ、Wikiについての説明の正誤を解答する問題です。

ブログも流行語大賞の候補になるほどですので、そろそろ取り上げられるのではないかと思っていました。

さすがに、話題だけにとどまらず、ブログやWikiの技術的背景になったCMS(Contents Management System)についてもとりあげられていました。

CMSは聞いたことがない人が多いかも知れませんが、Webページのデザインとコンテンツ、システム管理をそれぞれ独立して行なえるシステムです。

普通のホームーページであれば、記事の投稿とデザイン変更は、更新については同じような手間がかかるのに対し、ブログでは、ご承知のとおり記事の投稿は容易です。

これは、記事(コンテンツ)の投稿とデザインやシステム管理を独立したからであり、そのためにCMSが使われています。

Wikiも聞いたことのない人が多いかも知れません。まあ、ブログの寄せ書き版のようなものです。

CMSとWiki、2つとも知らないキーワードだった方には、難しかったかもしれません。


2.パソコンのリサイクル
中小企業診断士一次試験、経営情報システムでは、パソコンのリサイクルも出題されました。

自作パソコンなどの回収を行う有限責任中間法人3R推進センター、リサイクル時の記憶装置内のデータ消去について、事業者から排出されるパソコンの処理、回収・再資源化開始前に購入したパソコンの扱いなどです。

比較的話題になった事柄ですので、概要は知っている方が多かったと思います。

パソコンだからといって、リサイクルを経営情報システムの問題にすべきかどうか、議論があるかも知れませんが・・。

企業がパソコンの導入を検討する際、購入とリースについて、リアサイクルも視野にいれて考える必要はありそうです。


3.ハードウェアの問題
今年の一次試験経営情報システムですが、前にもコメントしましたが、ハードウェアの問題が多かったように思います。

第1問は、パソコンの電源投入後、まずどこを読みに行くか、という問題です。通常パソコンを使う上では意識しませんが、ウイルス感染など、何かトラブルがあったときには、知っておくほうがいいことです。

第2問はハードディスクの問題です。ハードディスクの特性とファイルの断片化についての問題でした。

このあたりは、情報技術者試験の基本問題として出てきそうなところです。まあ、コンサルタントとして必ずしも、必要な知識とはいえないかもしれませんが、日ごろ使っているパソコンがどんな仕組みで動いているのか、興味をもっていれば正解できるレベルだったと思います。


4.経営情報システム1次試験、インターネット関連
これだけ一般的になっていれば、当然かも知れませんが、インターネット関連の問題が今年も出題されました。

問5設問1は、ホームページ立ち上げる時に、静止画の取り込みに「イメージスキャナ」を使うとか、デジカメの記憶媒体が「フラッシュメモリ」であることなどを問うものです。

設問2は、HTMLだけでできることは、どこまでかということについての問題でした。Java Scriptというキーワードさえ知っていれば、問題自体は難しくなかったと思います。

今年から、正解を発表するようになったためか、どちらが正解かわからない、という問題が全般的に減ったと思います。

問題の難易度も下がった印象です。


5.ODSってなに?
1次試験、経営情報システムにODS:オペレーショナルデータベースシステムが出題されました。

ODSは、ア:基幹業務処理システムのデータベース、イ:詳細データのほか各種要約データを保存するもの、ウ:データウェアハウスへデータをロードする際の中間データベース、エ:データマイニングのためのデータマート、のいずれであるかが問われました。

最近、経営者などのエンドユーザのデータベースの活用法として、会話的に分析を行う OLAP(OnLine Analytical Processing:オンライン分析処理)が取り上げられています。

そのためには、まず、基幹データベース、外部データベースなどを時系列をキーとして統合したデータウェアハウスが有効とされています。

データウェアハウスにおいては、通常、コードの統一化(たとえば性別、年齢など顧客の属性を表すコードの統一化)を行い、整合性をとって時系列的に大量のデータを蓄積します。

このデータウェアハウス(データの倉庫)から、用途別に必要なデータをピックアップして構築するのが、データマートです。

これに対して、オペレーショナルデータストア(ODS)は、検索など目的で利用するために基幹データベースからデータを抽出したデータベースです。現在のデータウェアハウスは、ODSの考えをさらに進めたものといえます。

現在では、ODSは、デーアウェアハウスにデータを渡す前の一時保管データベースとして利用されていることが多いようです。上記問題の解答は「ウ」となります。

言い換えると、ODSは全処理で、本番はデータウェアハウスで、ということになります。

ただし、中小企業の規模であれば、データウェアハウスではなく、必要なデータベースから、必要事項をピックアップしたデータベース(OSDのようなもの?)で十分といえるかもしれませんが。


6.電子商取引、契約成立はいつ?
経営情報システムに経済産業省の「電子商取引に関する準則」によって、承諾についての問題が出題されました。

内容は、以下のうち、承諾通知が到達しているとみなされるものはどれか、というものです。

ア 承諾通知ファイルがバージョンの違いで開けられなかった。
イ 受信用メールサーバーがたまたま故障していて、承諾通知が記録されなかった。
ウ 送信された承諾通知が文字化けを起こしていて解読できなかった。
エ 申込者が指定した受信用メールサーバに、読み取り可能な状態で承諾通知が記録されたが、その後、システム障害により承諾通知が消失してしまった。

解答の前に、通常の取り扱いはどうか考えてみます。

民法では、遠隔地における通知(郵便)による契約の成立を定めています。簡単にいえば、申込者からの通知が届き、それに承諾者が承諾の通知を発信すれば、発信の時点で契約成立となります。

到達時点で成立となると、実際は通知が到達していたにも関わらず、申込みの撤回など問題が生じる可能性があるため、契約成立を承諾者に委ね、承諾通知の発信時点で契約成立、と、取り扱います。

しかし、インターネットにおいては、文字化けやトラブルの問題もありますし、内容証明Eメールもできません。電子商取引では、発信で成立というのは難しいでしょう。

そこで、「申込者が読める状態で、指定した受信用サーバなどに通知が届いたとき」に契約成立と取り扱います。

したがって、ア、イ、ウは到達していたとはいえないでしょう。エについても、承諾通知自体は消失していますが、読める状態で届いた時点で、到達(契約成立)となります。

消失しただけで契約不成立となれば、申込者が意図的に削除すれば一方的に契約解除できることになり、不都合です。

法律関係についても、丸暗記でなく、取り扱いが違う理由を実際のケースに当てはめてみると理解しやすいでしょう(ひとりよがりや勘違いでも暗記より遥かにマシです)。


7.DSS用データベースに必要なものは?
経営情報システムの1次試験で、DSS用のデータベースで重視すべきものが出題されました。

DSS(Decision Support System)は意思決定支援システムと訳され、ディシジョンレベル(経営者層)へも情報を提供していこうとするものです。考え方としては、経営者の意思決定を支援することを目的とし,情報やシミュレーション機能をコンピュータが提供するものです。

経営者等がコンピュータと会話形式で意思決定作業を行うことにより、より客観的・効率的に行うことを目的としています。

出題は、「OLTP(オンライントランザクション処理)と比較して、重視すべきものを選べ」で、あげられた選択肢は以下です。

ア インデックスの活用
イ オンラインバックアップ
ウ データの正規化
エ 同時実行制御機能

まず、考えることは、DSSはデータベースに対して更新をかけるものではないということです。当然ながら、新たな売上を形状したり、売上金額を訂正することはしません。したがって、OLTP処理などで正確なデータを確保するために必要となる、オンラインバックアップや同時実行制御機能は不要です。

残るは、インデックスの活用とデータの正規化です。

正規化とは、簡単にいえば整合性をとる、ということです。

男性を表すコードが「1」のデータベースと、「2」や「10」など、バラバラでは、集計や比較ができません。これらの、コードや表示などについて整合性を取ることがデータの正規化です。

データマイニングを考慮する場合はデータの正規化も必要ですが、DSSレベルであれば、特に必要性が高いとはいえないでしょう。

最後にインデックスですが、これは、データベースに対し、本の索引のようなものを作るもので、検索の速度がアップします。しかし、データベースが更新されると改めて作成しなおす必要があります。本の第2版で、ページの追加や削除があれば、索引に記載されているページを全部見直さなければならないのと同じと考えていいでしょう。

DSSではOLTPのように、頻繁な更新作業は必要なく、検索の速さを重視すべきと考えれば、インデックスの活用が正解でしょう。


8.コンピュータと健康
コンピュータ化に伴うVDT作業が増大に対して、健康面への配慮の問題が出題されました。

キーワードとしては、IT眼症、ドライアイ、頸肩腕症候群、反復過多損傷(Repetitive Strain Injury:RSI)などです。

経営情報システムとしては、通常聞き覚えのないキーワードがたくさん出てきました。

コンサルタントor目指す身としては、自分の健康にも関わりますので、勉強しておく価値はあるかも知れません。




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